産科医療補償制度の診断書・診断医について

診断書作成について

ここでは、診断書の記入例や記載の要領等についてまとめています。診断書のページごとにご案内しておりますので、診断医が診断書をご作成いただく際には、「診断書作成の手引きPDFファイル」とあわせてご参照ください。

診断書1ページ
 総括 - 1   診断書1ページ

① 診断(脳性麻痺)
・脳性麻痺の病型について、該当するものを選択してください。

② 現在の身体測定値
・診断書の記載日より1ヶ月以内の測定日および測定値を記入してください。

③ 出生時から新生児期までの状況・経過
・出生時から新生児期までの状況・経過について記入してください。
・なお、NICUサマリーを添付する場合には、本欄の記入は不要です。

④ 新生児期からの障害の経過・現症
・新生児期から貴科受診までの経緯と、その後の経過や現在の状況について記入してください。

診断書2ページ
 総括 - 2   診断書2ページ

⑤ その他参考となる合併症
・知的障害(精神発達遅滞)が「有」の場合は、精神発達の相当年齢をわかる範囲で( )内に記入してください。
・合併症が「有」の場合は、その内容について〔 〕内の該当する項目を選択してください。
・脳性麻痺以外の疾患で合併しているものがある場合は、「その他」に記入してください。
・視覚・聴覚障害がある場合も、「その他」に記入してください。

⑥ 治療及びリハビリテーションの状況
・治療およびリハビリテーションについて、現在の状況をわかる範囲で記入してください。

⑦ 日常生活及び介助の状況
・日常生活および介助の状況について、該当する項目すべてを選択してください。 

⑧ 家族歴
・血縁者(児の父母または兄弟姉妹に限る)の中に、児の運動障害に関連する可能性がある小児期からの運動機能障害
 または精神運動発達遅滞があるかどうかを、記入してください。

⑨ その他の特記事項
・障害の程度や予後等について、特記すべき事項があれば記入してください。

診断書3、4ページ
 総括 - 3.4   診断書3.4ページ

⑩ 除外基準
・検査結果や臨床所見から、該当する疾患等があると判断される場合は「有」を選択し、それ以外は「無」を選択して
 ください。
・「有」を選択した場合は、これらの疾患等と重度の運動障害との関係についても記入してください。
・重度の運動障害の主な原因と推定されるか否か判断が難しい場合は、「どちらとも言えない」を選択してください。

診断書5、6ページ
 検査 - 1.2   診断書5.6ページ

1.頭部画像検査(必須)
・頭部画像検査については、所定の欄に実施年月日と所見を記入し、あわせて頭部画像データ(フィルムも可) を添付して
 ください。添付の際には、所定の欄の実施年月日と頭部画像データの撮影年月日が同じ日となっているかご確認ください。
・なお、読影報告書を添付する場合、本欄の記入は不要です。

2.血液検査
・診断書に示す血液検査項目について、1項目でも実施していない場合は、その理由を所定の欄に必ず記入してください。
・検査データを添付する場合、本欄の記入は不要です。

3.上記の検査以外に実施した検査
・脳性麻痺および除外基準に関する診断にあたって、上記の検査以外に実施した検査がある場合は、その結果を記入して
 ください。
 また、「補償請求用 専用診断書」作成にあたっての追加検査実施に関するお願いをご参照ください。

診断書7ページ
 所見 - 1   診断書7ページ

1)運動障害
・低緊張型脳性麻痺の場合は、脳性の運動障害であるとどのように判断したのか(診察内容、画像診断、検査データ等)、
 また、脊髄性または末梢神経障害、神経筋疾患(脊髄性筋萎縮症、筋ジストロフィー、先天性ミオパチー等)による運動
 障害でないと考える所見・理由および腱反射の状況を〔 〕内に必ず記入してください。
・低緊張型脳性麻痺の場合は、早い年齢では診断や重症度の判定が困難であるため、原則として3歳以降に診断を行って
 ください。
・重度の知的障害(精神発達遅滞)による運動発達遅滞が認められる場合は、上肢の動作・活動の状況について、具体的な
 所見(投げる、引っ張る等の動作の可否や食事の動作等)を〔 〕内に必ず記入してください。

2)麻痺部位
・該当するものを選択してください。
・片麻痺の場合は、左右のいずれかを選択してください。
・単麻痺の場合は、( )内に部位を記入してください。

3)反射異常
・該当するものを選択してください。
・「バビンスキー反射」の検査が困難な場合は、他の病的反射の所見を〔 〕内に記入してください。

4)姿勢異常
・姿勢異常が「有」の場合は、〔 〕内に部位・所見を記入してください。

5)関節拘縮
・関節拘縮が「有」の場合は、〔 〕内に部位・所見を記入してください。

診断書8、9ページ
 所見 - 2.3   診断書8.9ページ

2.動作・活動の状況及び所見
・各項目について、診察の場で観察した所見を記入してください。
・明らかにできると判断される項目については、実際に動作の確認を行わず「○」とすることもできます。
・判定は「○」または「×」のいずれかで記入してください。
・それぞれの動作・活動が「完全にできる」場合は「○」とし、それ以外は、部分的に動作・活動ができる場合も含め「×」
 とします。
・審査委員会における重症度の判定の際に必要となりますので、必ず記入してください。

診断書10ページ
診断書10ページ

- 診断書に添付するお子様の写真の撮影について -

・写真の撮影については、医師または家族のどちらが行っても良いこととしています。
・以下の点にご留意の上、全身の状態および移動の状況をそれぞれ数枚ずつ撮影してください。
 また、補償認定請求用 専用診断書に貼り付ける写真についてのお願いをご参照ください。

 - 姿勢など、全身の状態が確認できるよう、できるだけ薄着の状態
 - お子様の普段の全身の姿勢(座った姿勢、寝た姿勢など)
 - 移動の状況(寝がえり、はいはい、つかまり立ち、装具をつけての歩行など)が確認できる場面

・お子様の状態が①または②のような場合で、写真のみでは障害程度の判断が困難と考えられる場合は、可能であれば、
 歩行(階段昇降等)や上肢での動作の状況(握る、つかむ、物に手を伸ばす等の動作や食事動作等)を撮影した動画を
 提出してください。<専用診断書作成時に動画を撮影する場合の目安表>をご参照ください。

① 診断時年齢が3歳以上で、なおかつ麻痺部位が「片麻痺」または脳性麻痺の方が「アテトーゼ型」「失調型」
  「低緊張型」と考えられる場合

② 診断時年齢が3歳以上で、なおかつ36頁の表に示す「動画確認を必要とする児の状態」に該当する、または
  該当するか否かの判断が困難な場合